2010-01-01から1年間の記事一覧

時事問題について

時事問題については,以前にも書きましたが,入試が近付いてまいりましたので,改めて書いてみます。 特に,中学受験生の中には,入試直前まで新聞を見ながら,時事問題に備えている人もいるかと思います。しかし,入試問題は,入試日よりもかなり以前に作成…

教材作成のサイクルについて

早いものでブログを書き始めて一年が経とうとしています。 この間にのべ1万人の方たちに閲覧いただき,感謝いたしております。 途中,更新をさぼってしまった時期がありましたが,それでも閲覧していただいている方が毎日おられたことを嬉しく思うと同時に…

イラつく言葉について

イラつく言葉というのは,人によって異なります。 以前に金田一秀穂先生の著作を読んだとき,コンビニなどでよく使われる「〜から」というのが,どうも許せないというような内容のことが書かれていました。 「1000円ちょうどからお預かりいたします」と…

映画の字幕の誤訳について

ときどき,映画の字幕の誤訳についてネット上で話題になることがあります。 たいていは,T氏に対する個人的な批判が多いのですが,仕事量が多ければ誤訳も多くなるのは当たり前のことなのでしょう。 もともと,原語を忠実に訳すということではなく,映画を…

入試問題と模擬テストの違いについて

入試問題と模擬テストは,似ているようでまったく異なります。 入試問題は,入学者を決めるためのテストで,模擬テストは,入試問題で点が取れるようにするためのテストであり,また,現時点の実力を評価するためのテストです。 ですから,まず作成の方針が…

合格必勝法について

第一志望校に合格するための方法はありますか,という質問を何度か受けたことがあります。 指導していたときは,よく質問されたように思います。 それに対する回答としては,「根性」あるいは「気力」と答えて,ごまかしていたように思います。 半分は冗談で…

ネガティブな文章について

ふつう中学入試や高校入試の模擬テストなどでは,ネガティブな文章は出題されません。 タブーとしている版元もあります。 ただ,このネガティブという定義が難しいと思います。 全体的にテーマが重く,シリアスなものは,何となくネガティブなイメージがあり…

誤字・誤用について

誤字や言葉の誤用については,商売がら常々気をつけてはいるのですが,それでも完全に直すことはできません。 変換ミスによる単純な間違いが多いのですが,困ったことに素材文そのものが誤字,脱字のままになっていることがあり,これはどうしようかと悩みま…

「教育とは」について

先日,「塀の中の中学校」を題材としたドラマが放映されました。 刑務所内に設置された公立の中学校で受刑者が学ぶ姿を描いた,実話をもとにしたドラマです。 受刑者と教師の心の交流などもあり,ドラマとしても面白かったですが,それよりも,このドラマは…

移行措置について

長らく更新していませんでしたが,少しずつアクセスは増えていたようで,感謝いたします。 今年は,とにかく忙しくて,思うように更新ができませんでした。反省いたしております。さて,移行措置にからむ教材の部分改訂を行いましたが,まだ,全面改訂される…

国際的なイベントと時事問題について

1月にわたるワールドカップサッカーが終わりました。 南アフリカが昼のとき,日本は夜。そして,南アフリカが夜のとき,日本は早朝(真夜中)であることは,ライブでテレビ観戦した方は,身にしみて分かったことでしょう。 私もかなり寝不足です。7時間の…

差別用語の扱いについて

教材作成者としてよく悩むのが用語の用い方です。 たとえば,「百姓」という語をどうするか,という問題です。 あきらかに差別的な言葉であっても,教科書に掲載されている場合もあります。 (もちろん,すべての教科書に掲載されているものばかりではありま…

大学への進学率について

大学などの高等専門教育への進学率は、日本などの先進国は、少しずつ伸びてきているものの、まだ5割かそこらというのが現状です。 ところが韓国では8割を超えているらしい。 まさに、高校に進むのと同じような感覚なのでしょう。 先日、「息もできない」と…

入試問題の採点ミスについて

昨年,兵庫県で公立高校入試において大量の採点ミスがあり,3000人を超す関係者の処分がなされたことを記憶されているでしょうか。 地元以外では,あまり公になっていないかもしれません。 ただ,模試の作成者としては,非常に大きな影響を受けておりま…

万博について

私が幼い頃は,大阪で万国博覧会が開かれました。高度経済成長のさなかのことで,日本が昇り調子にあるときでした。 いまの中国は,あの頃の日本と同様に,オリンピックを開き,万博を開催する,まさに昇り調子にあるのでしょう。 PR曲の盗作問題だの,初…

模試の盗用について

関西で有名な中学受験の進学塾がライバル塾の模試を盗用したという記事が掲載されていました。 盗用した希学園は,浜学園の元学園長などが独立して設立した塾で,しかも浜学園の教室のあるところに教室を展開したため,非常に険悪な関係になっていたと聞きま…

小学校の教科書改訂について

小学校の教科書改訂が話題になっております。 脱ゆとり教育で,教科書が分厚くなるにもかかわらず,授業数はほとんど増えない,ということで,はたして消化できるのか,という声が聞かれます。 確かに現場の先生方が大変な思いをされることになると思います…

固定イメージについて

最近,ビバリーヒルズ市について調べることがあり,そこで,イメージしていたのとは違う印象を受けました。 ご存知の通り,ビバリーヒルズは,豪邸が建ち並ぶ高級住宅地があるところですが,勤労者の平均収入は,全米で中位の上のほうに位置する程度だという…

大学受験における記述力について

国立大学の後期試験が終わりました。 新聞に掲載されていた問題を見ると,やはり国語読解力と文章の記述力の勝負という印象を受けます。 英語にしろ社会にしろ,ほとんどが記述題となる国立大学では,やはり記述力がものをいうことになるのでしょう。 知識と…

私立の記念受験について

私が学生のころ,記念受験がやたら多かったように思います。 記念受験は,文字どおり,記念に受験しておく,というもので,受からなくてもともとという思いで受験するものです。 受験料だってばかにならないのに,どうしてこんな無駄なことをするのかという…

古刹を放火する愚行について

埼玉県で500年続く古刹を住職が放火するというニュースが流れました。 どうやら多額の借金のため,保険金目当てであったらしい。 しかし,つくづく愚かな行為だと言わざるを得ません。 まず,二度と得られない文化財を放火で失ってしまうことが,どれほど…

講演会の司会について

最近,いくつかの講演会に参加しましたが,司会はとても大切なのだと改めて思いました。 講演そのものが良くても,司会が聞きづらいと,興ざめになることがあります。反対に,講演がそれほどの内容でなくても,とても楽しい雰囲気にしてくださる場合もありま…

幼児虐待と教育について

最近,幼児虐待の記事を多く見かけます。 高度成長期の前までは,子どもに十分なことをしてあげたくてもできなく,やむなくひもじいい思いをさせることはよくあったかもしれませんが,最近はそうではなくて,親の愛情不足からくる虐待になっているようです。…

今年度の公立高校入試問題について

2月実施の公立高校の入試問題が手元に届く時期となりました。 さてさて、今年は、どのような問題が出題されているやら、と興味をもって見てみました。 結論から言えば、どこともあまり変わり映えがしません。 新しい傾向の出題も、あまり見ることがありませ…

好かれる答案と嫌われる答案について

答案の採点で思うことがあります。 それは、「好かれる答案」と「嫌われる答案」があるということです。 もちろん、多分に主観的な要素はあるので、絶対とは言えないのですが、総じて「好かれる答案」というのは共通していることがらがあるように思います。 …

採点基準について

模擬テストや公開テスト,学校の実力テストなどで採点基準を作成するときに悩むことがあります。 それは,こんな答えを書いた場合,はたして正解にしていいだろうか,ということです。 先日の「天声人語」に,「氷が解けたら何になりますか」という問いに対…

素材文のタブーについて

国語科の教材で使用する素材文には,タブーとされる内容のものがあります。 例えば,特定の宗教やその理念などを扱ったものや,身体障害者に関するものなどがあてはまります。内容的には問題がなくても,ネガティブなものや反社会的なもの,自殺を扱ったもの…

言葉の誤用について

冬季オリンピックが始まりましたが,こうしたイベントの中継のときに,いつも気になる言葉が「鳥肌が立つ」です。 すでに多くの方が指摘されていますように,「鳥肌が立つ」というのは,おぞましいものを見たときに発する言葉であって,けっして感動したとき…

「自由業」について

原稿執筆者の職業は,「自由業」に含まれます。 この「自由業」には,他に弁護士や公認会計士などの資格をもつ人たちが含まれています。 広い意味では自営業なのですが,自営業とは別に自由業と分類されることもよくあります。 私には,この「自由業」という…

小学生の記述力について

中学入試問題の模範解答例を見ていると,およそ小学生が書けないような答案例を見かけることがよくあります。 特に,難関校の場合には顕著です。 確かに,文脈を捉えて書く場合には,本文の記述内容を入れるため,文章が難解に見えるのはいたしかたがないと…