誤字・誤用について

誤字や言葉の誤用については,商売がら常々気をつけてはいるのですが,それでも完全に直すことはできません。
変換ミスによる単純な間違いが多いのですが,困ったことに素材文そのものが誤字,脱字のままになっていることがあり,これはどうしようかと悩みます。
昨年のある中学入試問題でのことですが,素材文中で誤字を見つけられたからでしょうか,この誤字の部分に傍線を引いて,正しく書きかえさせる問題が出題されているのを見たことがあります。問題の趣旨は理解しますが,しかし,いくら何でも,これは著者に失礼ではないかと,他人ごとながらドキドキしてしまいました。
また,誤字ではないのですが,あまり一般的には使わない漢字を使用されている場合も,漢字をかえるかどうか迷います。
それとともに,誤用が定着している言葉が,本来の正しい意味で使われている場合にも,考え込んでしまいます。
たとえば,「紅一点」というのは,本来は,平凡な才能の人たちの中に,すぐれた才能の人が混ざっているときに使う言葉ですが,しかし,この使い方をする人はまずいません。
むさくるしい男性たちの中に,美しい女性が一人混じっていときに使われるのがほとんどです。こうした言葉を,本来の意味で使われている場合に,どうしようかと悩みます。
結局,正しい使い方なのに,(注)を入れて説明しなければならず,著者の先生に申し訳ない気持ちになります。
以前にもお話したかもしれませんが,ある女性歌手の「初めてのお酒」という曲名を,4大紙の一つは「初めてのお産」と紹介していたのには,本当に驚きました。ようやくヒット曲が生まれ,この第二弾にかけていたと思うのですが,その後,その女性歌手は忘れさられるようになりました。もちろん,この一字の誤字が女性歌手の生命を奪ったとは思っていませんが,私は,どうも因果関係があるように思えてなりません。
それとともに,誤字の恐ろしさを,私自身いつも肝に銘じております。
みなさんは,いかが思われますか。