2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

社会常識と読解問題について

いよいよ大晦となりました。今年一年いかがお過ごしでしたか。 さて,一年の最後として,具体的な設問を例にして社会常識について考えてみたいと思います。 経済協力開発機構(OECD)は,義務教育を修了した十五歳児を対象にして,社会に参加する上で必…

素材文(出典)のタブーについて

素材文(出典)では,いじめや宗教,障害者に関するものなどはタブーとされています。 しかし,実際の入試では,いじめを扱った文章も出題されていますし,西洋と日本との対比をする中でキリスト教や仏教について触れている文章も多く出題されています。また…

右脳の早期英才教育について

右脳の早期教育については,ときどき話題になります。 しかし,必要であるかどうかについては,あやふやのままで結論らしいものは出されていません。 ただ,私は疑問を感じております。 先日,テレビで右脳の早期英才教育について紹介しており,そのときに,…

お香と香水について

香りに対する考えは,きわめて民族性が現れているように思います。 日本では,平安時代の作品にも,香のことがよく書かれております。 この頃は,花と言えば桜,夕べと言えば春,というように価値観の統一が図られつつあったような時代ですが,女性の香りは…

民謡の原詞について

日本で馴染みのある海外の民謡の原詞は,日本語の詞とはかけ離れているものが多くあります。 例えば,「おお牧場はみどり」という歌は,明るく,さわやかな曲として,日本の人々に親しまれていますが,これはボヘミア民謡で,もともとは領主が18歳の娘を手…

百人一首について

正月にかるたをする家庭は,ほとんどないらしい。 とても寂しいことです。 私が小学生の頃は,学校で百人一首を覚えさせられました。 本当は,好きな10首を選んで覚えればよかったのですが,どうせなら百首全部を覚えようと必死に頑張りました。 この頃に…

クリスマス会と英語について

子どもの頃に,英会話の教室でクリスマス会をしました。 小学生だった私は,キリスト教の何となく厳かな雰囲気が好きで,このクリスマス会から英語にかなりの興味をもつようになりました。 今から思うと,たいしたこともしていませんでしたが,みんなで劇を…

クレーマー対策について(4)

クレームのおこらないような問題が良いのかどうかを考えてみたいと思います。 クレームがおこらないというのは,完成度が高いということなので,もちろんそのことは喜ばしいことであります。 しかし,こと出題に関しては,無難な,平凡な,当たり障りのない…

クレーマー対策について(3)

別のケースを考えてみましょう。 単なるクレームではなく,アドバイスと言ったほうがよいものも時にはあります。 的外れのものもありますが,きわめて本質をついているものもあります。 例えば「入試問題に比べて問題数が多い」「領域ごとの出題比率に偏りが…

クレーマー対策について(2)

具体的なクレーマーの対策について考えてみましょう。 出題に対するクレームで最も多いのは,「教科書に載っていない」「授業で教えてもらっていない」というものです。 不思議なことに,成績の良くない生徒であっても,教科書に載っているかどうかだけはよ…

クレーマー対策について(1)

私たちが子どもの頃は,教えられる側が教える側に文句を言うなどということは考えられませんでした。 それだけ,親の高学歴化が進み,先生を尊敬の対象としなくなった現れなのかもしれません。 クレーマーは,どの分野にも飛躍的に増大し,いまや教材制作の…

まる暗記について

今は,中堅の進学校になっていますが,かつてはそれほどの進学実績がなかった,ある高校での話です。 日本史では,ひたすら年表を覚えさせられ,そのテストも繰り返されたとのこと。 それも,年表と一字一句違っていても×にするという徹底したものだったらし…

家庭学習教材について(続き)

家庭学習教材については,教科書はあまりお勧めできない話をしました。 それでは,どうすれば良いのか,と思われた方も多いと思います。 歴史漫画や学習漫画は,とっかかりとしては良いのですが,こうした漫画を何度読んでも,入試で得点することはできませ…

家庭学習教材について

家庭学習で使う教材は何がいいですか,という質問をされる方が多くおられます。 お子さんの現在の学力や目標としていることによって異なってきますので,万人に良い教材など存在しないのですが,それでも聞かれます。 中学生に対しては,まず教科書をよく読…

狂言のしぐさと日常生活について

昨日,茂山狂言会を鑑賞しました。 間近で見られたこともとても嬉しかったのですが,狂言で演じるしぐさやせりふのレクチャーがあったことが何よりも嬉しかったです。 狂言での歩き方,石の投げ方,笑い方,泣き方など,それぞれがどのような意味を持ち,な…

英会話を習いたい理由について

英会話を習いたい理由を聞かれると,かつては,「外国人に道を聞かれたときに答えられるようにするため」というのが,常にトップだったように思います。 こんな一生のうちに数回あるかどうかわからないことのために,高いお金を出して習おうという気持ちは,…

フェイク食材について

いくらやコーヒーフレッシュ、ふかひれなど、人工的につくり出している食材がたくさんあります。 ほとんど、見た目も、味も、食感さえも、本物と変わらないほど精巧にできたフェイク食材が、それとは知られないまま、広く出回っています。 以前に、ある論説…

入試の採点について

いよいよ入試本番が近づいてまいりました。 さて、入試で気になるのが、実際、採点はどのようにして行われるのかということですね。 ある公立高校で採点に携わる、ある先生のお話では、「途中で、解答がずれていると思われる生徒が毎年のように出て、どうす…

英語の歌詞と英語教育について

70年代は、洋楽がさかんに聴かれていました。 当時、中学・高校生時代だった私も、洋楽をさかんに聴いていました。 英語の歌詞のフレーズを覚え、そこからさまざまな英語の表現や文法を学びました。 今から振り返ると、意外なことにヒット曲の多くは、きわ…

模擬テストと入試問題について

模擬テストの問題は、よく覚えているのに、入試問題で覚えている問題はありません。 模擬テストでかなり迷った問題や間違えてしまった問題については、数十年経った今でも覚えているものがいくつもあります。これは、本番の入試で間違えてはいけないと必死に…

開発途上国の教育について

フォスタープランという開発途上国の子どもたちを救う制度があります。 私は、何かにつけフォスタースポンサーになることをまわりの人に勧めてきましたが、私自身はまだスポンサーになっていません。物価が異なるため、少額であってもある程度の支援はできる…

社会科の教科書について

脱ゆとり教育を目指して、ようやく教科書が分厚いものに改訂されるようです。 教材作成者としては、大変喜ばしいことです。 現行の教科書は、あまりにも記載事項が少なく、またページを少なくするために強引に複数の内容をつなぎ合わせているため、生徒が誤…

国語の素材文の著作権について

毎年のようにテストやテキストに作品を無断で使用したとして,裁判所に訴訟をおこされる出版社等が見られます。 これほどやかましく著作権について騒がれているのに,いまだに何ら対策を講じていないのに問題はありますが,しかし,私個人としては,無断使用…

社会科の時事問題について

師走に入ると,毎年,一年を振り返って「今年の10大ニュース」などといった話題が囁かれるようになります。 それとともに,受験関係者は,入試が近づいてきて,時事問題で尋ねられそうなことがらをあれこれと考えるようになります。 私のような出題者の立…

小学校の英語教材の廃止について

政府は,小学校の英語教材である「英語ノート」の予算を削り,なくそうとしています。 先日も,小学校の英語の授業については書きましたが,これでは,ますます授業の形をなさなくなります。 以前,京都の下鴨神社に行ったときのことです。東南アジアからの…