右脳の早期英才教育について

右脳の早期教育については,ときどき話題になります。
しかし,必要であるかどうかについては,あやふやのままで結論らしいものは出されていません。
ただ,私は疑問を感じております。
先日,テレビで右脳の早期英才教育について紹介しており,そのときに,この教育を受けた者の多くが東大・京大や早稲田大・慶應大に進学しているというデータが発表されていました。
私自身が,そうした大学の出身者であるから言うのではありませんが,私を含め,まわりの誰もそうした右脳教育を受けてきたものはいませんでした。はたして,こうした教育は大学進学に役立っているのでしょうか。
確かに,音楽や美術などの芸術家や,将棋や囲碁などの名人は,ふつうの人よりはるかに右脳が発達しているということは聞きます。
しかし,これは音楽や絵のレッスンや観賞をする中で,自然に右脳が発達したのではないかと思います。
けっして,右脳教育をすれば芸術家になれるというものではないと思います。
また,学問を究めていくには,やはり論理的な思考力や知識が必要で,それも右脳教育には馴染まないものだと思います。
もちろん,右脳を発達させることは,けっして悪いことではないと思いますが,そのために多額の費用と時間を費やすことには疑問を感じます。
楽家になるには,ピアノなどの楽器演奏の早期の専門教育が必要ですし,絵画にしてもデッサンの基礎などは専門的に学ぶ必要があると思います。
ただ,もし,右脳教育によって左脳の発達に大きな影響をあたえるというのであれば,それなりのメリットはあるかもしれません。
それにしても,超短時間の読書法や瞬時の記憶トレーニングなどが,思考力の育成につながるようには思えません。
読書は,あらすじをとらえれば良いのではありません。
感動したり,共感したり,また時には反発したり,疑問を感じたりしながら,作品に触れることが大切だと思います。
情操教育というのは,右脳トレーニングではけっしてできるものではないと思います。
やはり,音楽に触れ,絵画に触れ,豊かな自然に触れる中で情操を育て,芸術の感性を伸ばしていくことが大切なのではないでしょうか。
みなさんは,いかが思われますか。