民謡の原詞について

日本で馴染みのある海外の民謡の原詞は,日本語の詞とはかけ離れているものが多くあります。
例えば,「おお牧場はみどり」という歌は,明るく,さわやかな曲として,日本の人々に親しまれていますが,これはボヘミア民謡で,もともとは領主が18歳の娘を手篭めにするという,とてもいかがわしい,卑猥な歌であったそうです。
チェコスロバキアという国は,領土がめまぐるしく変わっておりますし,だいたいボヘミアンという言葉からして日本では誤解されているような気がします。
さすがに,現在は,もともとのとんでもない詞では歌われなくなっているらしいのですが,それでも,大きな木に雷が落ちるという詞になっており,子どもたちがいるのに雷が落ちて,「ホイ」だの「ヘイ」だの歌っている場合じゃないよ,と思ってしまいます。
この明るい,元気のよい曲のメロディからは,想像もつかないことなのですが,民族性の違いを垣間見る思いです。
イギリス民謡のLong Long Ago は,日本では「久しき昔」や小学唱歌の「思い出」として歌われていますが,これは,ともに原詞の内容を踏まえた名訳だと思います。
こうした曲は問題ないのですが,先の「おお牧場はみどり」のような曲は,現地に行って堂々と歌うと恥をかきそうな内容の原詞なので,こうした曲かどうかは,よく調べたほうが良いでしょうね。
逆に,日本で名曲とされている曲のメロディに,卑猥な歌詞をつけられて歌われているということもあるかもしれません。
こうした曲も要チェックです。
英語の詞だと何となくわかるでしょうから,まだ良いのですが,馴染みのない言語の場合にはまったくわかりませんから,やはり注意が必要でしょう。
そう言えば,大ヒットした「ジンギスカン」だって,ドイツ語の意味では「一夜で7人の子どもをもうけた」などというフレーズがあり,サビではワハハハ笑っていることからすれば,やはり日本とは,別の感覚なのでしょうか。
みなさんは,いかが思われますか。