ネガティブな文章について

ふつう中学入試や高校入試の模擬テストなどでは,ネガティブな文章は出題されません。
タブーとしている版元もあります。
ただ,このネガティブという定義が難しいと思います。
全体的にテーマが重く,シリアスなものは,何となくネガティブなイメージがあります。
しかし,テーマが重く,シリアスなものなのに,妙に明るいタッチの文章というのもあります。こうした文章の場合には,出題されることも多くあります。
反対に,明るい,前向きなテーマなのに,文章のタッチが暗いものがあり,テーマとしては良くても出題されにくい文章もあります。
以前に,ゴキブリの生態から,人間や人間社会をとらえた文章があり,文章のタッチも軽く,出題しようとかと思ったことがありましたが,かなり迷った末に結局は出題をしなかった文章があります。
面白いとは思うのですが,それだけでは模試で出題する文章としてふさわしいとは言えないと考えたからです。
明るく,前向きな,向上心に満ち溢れた文章ばかりではありませんし,むしろ,こうした文章が非常に少ないがゆえに,素材文の選定に苦労します。
最近は,出題者が素材文まで書いてしまうケースが増えつつありますが,結局,思うような文章がなかなか見つからないため,文章をつくるほうが出題しやすいということなのでしょう。
最近は,明るい,さわやかな青春ドラマがなくなりました。
NHKの「中学生日記」も,重たいテーマが多いように思います。
書籍でも同じで,明るい青春ドラマのような文章は,本当に少なくなりました。
こうした作品は,売れないから仕方がないのかもしれませんが,寂しい限りです。
私たちの年代層には,まだまだ受けると思うのですが。
みなさんは,いかが思われますか。