合格必勝法について

第一志望校に合格するための方法はありますか,という質問を何度か受けたことがあります。
指導していたときは,よく質問されたように思います。
それに対する回答としては,「根性」あるいは「気力」と答えて,ごまかしていたように思います。
半分は冗談で,半分は本気だったと思います。
つまるところ,必勝法というのはなくて,最後にものをいうのは「何が何でも合格するんだ」という気力ではないか,という気がします。
自分自身の受験体験からも,自信に満ちたオーラが出ていた受験生というのは,やはり合格していたように思います。
今は,倍率が下がっていますので,同じようには言えないのかもしれませんが,それでも,自信をもって臨むことが大事で,自信をもつためには,それだけの学習量をこなすしかないと思っております。
私は,試験会場に使い古した問題集をボストンバッグいっぱい詰めてもっていきました。
「これだけやったのだから受かるに違いない」という,お守りのような気持ちでもっていったのです。
そのためか,ずいぶんと落ち着いて問題を解くことができました。
人によって,この「お守り」は異なるだろうと思います。
ですから,特にこれとお勧めしたいものがあるわけではありません。
ただ,言えるのは,試験が近づいてきても,生活を変える必要はないだろうということと,たとえ根拠がなくても自信を持ち続けることが大事だということです。
「試験に運はない」と私は思っています。
「たまたま苦手なとこばかり出題されて,運が悪かった」という言い訳をする人がいますが,
苦手なところを克服しておかなかったほうが悪いのであって,それを「運が悪い」というのは,間違っていると思います。
まあ,あるとすれば「運が良かった」というほうかもしれません。
ろくに勉強していなかったのに,たまたま前日に勉強したのと同じような問題が出て,解答を覚えていたために高得点が取れた,ということでしょうか。
こうしたことは,たまに聞きます。
でも,私は,そうして「運よく」合格したと思っている人のほとんどは,別の問題が出題されていたとしても,やはり受かっていたと思います。
多少点数に違いは出るかもしれませんが,たった1題だけでは,合否を左右するようにはならないからです。
もちろん,一度類題を解いたことのある問題を見つけると,すごく気持ちが落ち着くことはわかります。
ですから,そのために日々勉強するのではないでしょうか。
必勝法ばかり考えているのであれば,その時間を利用して,過去に受けた模試を解き直してみて,そして,間違えた問題の解説をよく読むことが,合格への近道だと思います。
少しでも力を伸ばしてもらおうと,問題作成者は,工夫をこらしてて解説を書きます。解説を読めば,解き方がわかり,同じような問題が出題されれば解けるように書いているのです。ですから,よく解説を読んでほしいと思います。
「模試1回は,問題集1冊分に相当する」と言われますが,それは解き直しをして,解説をよく読み,なぜ間違えたのかを考えことによって,はじめてそう言えるのだと思います。
模試のやり直しが,合否の決め手になるかもしれません。
11月は,力を伸ばす絶好の時期です。
けっして無駄な努力をすることなく,自分を信じて頑張ってください。
問題作成者は,受験生の力が伸びるような工夫をして,問題を作成しているのです。
そして,陰ながら応援をしています。