「自由業」について

原稿執筆者の職業は,「自由業」に含まれます。
この「自由業」には,他に弁護士や公認会計士などの資格をもつ人たちが含まれています。
広い意味では自営業なのですが,自営業とは別に自由業と分類されることもよくあります。
私には,この「自由業」というネーミングの意図がよくわかりません。
どうもこの「自由」には,勝手きままに仕事をしているという意味あいが含まれているように思われるのですが,はたしてみなさん勝手きままに仕事をされているでしょうか?
むしろ,ふつうのサラリーマンよりも長時間の労働を強いられ,精神的にもストレスを抱えられながら仕事をしている人が多いのではないでしょうか。
つまりは,かなり「不自由」な仕事だと思います。
ですから,「自由業」というくくりはどうも納得ができません。
それでも,資格をもって仕事をされている方たちは,社会的な地位もあり,それなりの収入も確保されていますから,たとえ長時間勤務で,ストレスの多い仕事であったとしても,納得はできるでしょう。
しかし,執筆業はどうでしょうか。
何も資格がありません。原稿内容がすべてです。
社会的な地位も,信頼も,安定した収入も何もありません。
その意味では,まさしく「自由業(何の保障もない稼業)」なのかもしれませんね。
それなのに,この仕事に憧れる人が多くいます。
傍からうらやましがられる要素など何一つないのに,多くの人々が異口同音に,「いやあ,うらやましいですよ」とおっしゃる。
不思議なことです。
納期と格闘することを一度でも経験すれば,うらやましい職業だとは思わなくなると思いますが,他人の仕事はよく見えるものなのでしょう。
いずれ仕事の実態については,お話をいたしましょう。