差別用語の扱いについて

教材作成者としてよく悩むのが用語の用い方です。
たとえば,「百姓」という語をどうするか,という問題です。
あきらかに差別的な言葉であっても,教科書に掲載されている場合もあります。
(もちろん,すべての教科書に掲載されているものばかりではありません。)
「百姓」の場合,マスコミなどでは差別語として使用しないようにと規制していますが,歴史的には,江戸時代に「百姓身分」というのがあり,教科書でも当たり前に記載されています。
もちろん,言葉そのものが問題であるというより,言葉を使う人,あるいは使うときの相手に対する気持ちのほうがより重要だとは思いますから,本来は,それほど気にするべきことではないのかもしれません。
ただ,困ったことに,紙媒体のものは,活字として残ってしまうのです。
そこが問題です。
よく,「差別語」というのはない,あるのは「差別」だけだ,と言われます。
まったくその通りだと思います。
どんな褒めことばであっても,相手を見下した気持ちで言葉を発するなら,それは差別につながってしまうでしょう。
逆に,人々が差別語と言っている言葉であっても,親しみをこめ,相手を敬う気持ちで使ったならば,快い響きとなるに違いありません。
やはり,言葉は難しいと思います。
言葉は武器にも,薬にもなると思います。
そんなことを思いながら,今日も教材を作成しました。
みなさんのお考えをお聞かせください。