模試の盗用について

関西で有名な中学受験の進学塾がライバル塾の模試を盗用したという記事が掲載されていました。
盗用した希学園は,浜学園の元学園長などが独立して設立した塾で,しかも浜学園の教室のあるところに教室を展開したため,非常に険悪な関係になっていたと聞きます。
それにしても,ライバル塾で作成した模試の問題をそのまま使うというのは,きわめて問題があると思われます。
確かに,オリジナルで問題を作成することがいかに困難なことかは,作成者としてはよくわかります。バレなければかまわないんじゃないか,2,3問を使わしてもらおう,という悪魔のささやきが耳元に聞こえることはしょっちゅうあります。
だからといって,それをしてしまってはだめでしょう。
作成者としてのプライドが許さないのではないでしょうか。
塾の激しい競争の中で,授業をこなし,模試の問題も作成するとなると,時間がいくらあっても足りないという事情があるのは確かだと思います。
ですから,一概に,作成者を責めるわけにはいかないと思います。
私は,これを機に,十分に問題を練れるだけの時間を塾側が用意し,問題作成ができる環境を整えるべきだと思います。
もっとも,少子化で,どの塾も余裕がなくなりつつありますから,なかなか望めないことだと思います。
やはり,指導と問題作成を完全に分離することしか方法はないかもしれません。
問題作成は,私どものようなプロに任せて,指導に専念したほうが良いのではないでしょうか。
企業で何らかの問題が生じたときには,だいたいは企業の体質に問題があるので,そこから変えないと,同様のことは起こり続けるでしょう。
それにしても,作成者としては,やるせない記事となりました。