イラつく言葉について

イラつく言葉というのは,人によって異なります。
以前に金田一秀穂先生の著作を読んだとき,コンビニなどでよく使われる「〜から」というのが,どうも許せないというような内容のことが書かれていました。
「1000円ちょうどからお預かりいたします」という,あのコンビニ言葉です。
これは,ぎりぎり許せたとしても,「936円ちょうどからお預かりいたします」とされると,言語学者としてはどうとらえれば良いかわからなくなるというような内容だったように思います。
確かに,いつごろからか,こうした言葉づかいがされるようになりました。
同様に,「〜のほう」というのも,よく意味がわかりません。
「ご注文のほうになります」という言い方です。
たぶん,本来の使い方をしない言い回しが,耳障りで,イラつく言葉なのでしょう。
金田一先生は,敬語というのは,本来は相手が気持ちよく聞くことのできる言葉なので,別段,正しい敬語の表現でなくても,丁寧語であっても,相手に気持ちよく伝われば,それで良いのではないか,と主張されていました。
実際,バカ丁寧な敬語表現をすることで,かえって不快な思いをさせてしまっては何もなりません。
みんなが笑えるような失言ならいいですが,不快な気分にさせる失言であってはならないと思います。
私としては,「〜じゃないですか」という言葉が,どうも耳障りに聞こえます。
「私って学生じゃないですか。なので,○○駅で降りることが多いじゃないですか」というような言葉を聞くと,「それがどうした。さっさと結論を言え」という気になります。(もちろん,表情には出しませんが)
こうした,相手に同意を求めているのか,単なる癖なのか,自分で納得しながら話しているのか,どうも定かでない言い方は,どう受け止めていいのかわかりません。
言葉の癖で,「逆に言うたら…」とか「極端な話,…」とか頻繁に話す人がいて,はじめは逆の内容や極端な内容のことを話すのかなと身構えていると,逆の話にも極端な話にもならない,というのを経験します。
でも,こうした言葉は,言葉の癖だとわかれば,それほど気にはならなくなります。
しかし,こんなことを書いている私自身の言葉づかいも,他人からすればイラつく言葉づかいをしているかもしれません。
どの言葉にイラつくのか,まったくわからないからです。
みなさんは,いかが思われますか。