古刹を放火する愚行について

埼玉県で500年続く古刹を住職が放火するというニュースが流れました。
どうやら多額の借金のため,保険金目当てであったらしい。
しかし,つくづく愚かな行為だと言わざるを得ません。
まず,二度と得られない文化財を放火で失ってしまうことが,どれほど大きな損失であるかがわかっていないことが悲しいです。
しかも,住職みずからの行いであるということに唖然とします。
次に,火災前日に保険に入れば,当然疑われることがわかっていないことが嘆かわしい。
事実,保険金は支払われないそうです。
確かに,古刹であっても檀家が土地を離れたり,死亡したりして,寺の維持が困難になっている寺社も多いと聞きます。
そうした寺の一つが止むに止まれぬ事情で放火をしたのかと思えば,そうではなくて,高級車に乗り,連日豪遊した結果の借金だということで,まったく同情の余地はありません。
それにしても,日本人の宗教観はどうなってしまったのでしょうか。
こうした事件がおこる度に,やるせない気分になります。
日本人共有の財産であるという意識がまるでなく,古刹を私物化していること自体許されることではないように思います。
しかし,さきほど述べたように,本当に,維持が困っている寺社も多くあるようで,国が文化財保護に積極的になってほしい気がします。
そして,二度とこうした愚行を繰り返さないように,早急に対策を立ててほしいと思います。

いたずら心で文化財を傷つける人もいますが,そうした人は,この住職と同じ意識の程度だと思います。住職だから罪が重いということではなく,文化財を傷つけようとする意識は同じなのだと思います。

最近見たニュースの中では,最も気分が悪くなる事件のひとつとなりました。
みなさんは,いかが感じられましたか。