今年度の公立高校入試問題について

2月実施の公立高校の入試問題が手元に届く時期となりました。
さてさて、今年は、どのような問題が出題されているやら、と興味をもって見てみました。
結論から言えば、どこともあまり変わり映えがしません。
新しい傾向の出題も、あまり見ることがありません。
指導要領の改訂を迎える前にしては、いささか拍子抜けしてしまいます。
実際、入試問題の難化を宣言されている県もありましたが、その割にはあまり難化しているように思えません。
しかし、考えてみれば、公立高校の入試となると、全中学生が受けるわけでもありませんから、その入試で平均点が40点程度というのは、どう捉えたら良いのでしょうか。
かつては、平均が60点などというのが、当たり前になっていましたが、いまや平均60点に達するというのは、かなり至難の業になりつつあるのではないでしょうか。
これは、受験生の質が下がったからなのか、あるいは、試験のレベルに達するだけの授業時間数を確保することができないからなのか、それはよくわかりません。
それでも、平均点の低いところは、本当に低いままです。
社会科では、一時期、資料の読み取り問題では、複雑なものが出題されていましたが、最近は、割と単調な読み取り問題が多くなりました。
複雑にすると正解できなくなるからかもしれません。
いつも思うことですが、受験生のレベルに合わせて問題のレベルを変更していくというのは、どうも本末転倒のような気がします。
受験生は、入試の出題レベルに合わせて学習を進めるべきです。
解けないからと言って、それを問題のせいにするのは、いかがなものかと思います。
競争が減ってきたせいなのか、単に社会の風潮なのか、それはわかりませんが、勉強しなくても解ける問題というのは、私には理解できません。
こうした問題では、日々、努力を重ねて勉強する気になどならないでしょう。
独自入試が増えてきましたが、これによって、トップクラスの高校のレベルは保てるかもしれませんが、全体のレベルを高めることにはなりません。
さて、どうしたものか、と悩みます。(私が悩んでも仕方がないのですが…)
どの教育委員会でも、本当に悩んでおられるのでしょうね。
問題は難化させたし、だが、平均点が下がるのは避けたし…。
点数が低いところで固まると評価にしようがなくなるから、悩みどころですね。
もう、どうにもならない状態です。
ただ、問題としての評価だけで見れば、難化はしていませんが、でも良問は多くなったように思います。
知識を問う問題は、やはりそれほど多くありませんが、良問は確実に多くなっていると思います。かつての、本当に何のくふうもないような問題は、めっきり減りました。
それは、救いだと思います。
今日は、これくらいにして、いずれ近いうちに、具体的な問題について語ることにしましょう。