「一票の重さ」違憲判決について

「一票の重さ」の違憲判決が広島高裁で出されました。
最高裁でも,何度となく違憲の判決が下されています。
しかし,違憲判決が出されたからといって,ただちに選挙制度が変わるわけでもありません。
判決が出されたあとも,同様の制度で選挙を行っています。
こうして見ると,日本の違憲立法審査権というのは,いったい何なのだろうという気がします。
日本は人口の偏りが激しく,一票の重さを等しくしようとすると,過疎地域を多く含む県からは1名の議員も選出することができなくなるという事情があります。
確かに,地元の人たちにしてみれば由々しき問題でしょう。
ただ,グローバル化が進みつつある世界情勢の中で,日本国内の地域偏重主義を貫いていては,日本の将来のためには良くないように思います。
都道府県単位をやめ,地方単位で考えていくなら,必ずしも1県に1人の国会議員を確保する必要もないのではないでしょうか。
スポーツの全国大会の予選で,3回勝てば決勝に進める県と,7回勝ってようやく決勝に出られる県との差があることは知られていますが,スポーツならそれもありなのかもしれませんが,選挙での重みの差というのは,憲法がうたう平等に反し,やはり由々しき問題だと思います。
そうかと言って,大都市からでのみ議員が選出されるというのも問題があるように思います。
仮に小選挙選出をやめて,ブロックごとの中選挙のみとしてしまうと,ブロックごとの1票の重みは差が縮まるかもしれませんが,今度は大政党が議員を独占してしまい,容易には政権交代が実現できなくなります。
全国選出の比例代表のみで選出し,地方選出をなくしてしまえば,1票の重みの差はつかなくなりますが,はたしてそれが良いのかどうか…。
地元からの議員もほしいというのも本音としてはあるでしょう。
やはり2県で1名の定数にするか,あるいは重みが等しくなるように1票を按分してしまうか,なかなか難しい問題です。
それに投票率の違いだってあります。
本音としては,国政選挙で投票率が50%を切るような県の定数を0にしても良いのではないかという思いはありますが,それほど大胆なことをしないといっこうに何も解決しないように思います。
何より,テレビに露出している時間が長い人が当選していく風潮を改めなくては,けっきょく有名になりさえすれば良いということになりかねません。
こうした判決が出る度に,何か割り切れない思いを引きずります。
みなさんは,いかが思われますか。