学力検査の実施について

今日の毎日新聞の記事によりますと,いままで学力検査を課さずに入学を決めていた自治体の多くが学力検査を行うように変更をするらしい。
かつて「受験生ブルース」などでも「紙切れ一枚に身を託す」などと揶揄された入学試験ですが,しかし,入学審査において学力検査を課さないというのは,やはり考え難いと思います。
学力が下がるのは目に見えています。
「脱ゆとり」教育が競争を激化させるなどという,批判はありますが,試験を課さないで学力を伸ばすのは難しいと思います。
「全員,それぞれなりに努力したのだから,全員に5をつけた」などというのがときどき話題になりますが,この評価は,本当に適切でしょうか。
たとえば,毎日,見たいテレビも我慢して必死に勉強をして100点をとった生徒がいるとします。また,毎日ゲームばかりして勉強をせず30点しか取れなかった生徒がいるとします。この二人の生徒が,「それぞれ努力した」とみなされ,同じ評価だとしたらどうでしょうか。
そして,努力をしなかった生徒は,評価だけは高いとして,学力検査なしで志望の学校に入学したらどうでしょうか。もしかしたら,この生徒が入学することで,毎日必死に勉強していたにもかかわらず,「全員が3」の評価をされた生徒が入学できなかった,などということがあるかもしえません。
全員が手をつないでゴールする運動会。
全員が同じく努力したとしてつける「3」の評価。
これは,本当に平等なのでしょうか。
私は,努力した者が報われることこそ平等だと思います。
「学力検査を実施する」のは,その意味で必要なことであり,競争である以上は,どこかで線引きされるのは,仕方がないことだと思います。

ただし,入学試験の結果で,人間の価値が決まるものではないことは強く言いたいと思います。
これを誤解している人が,競争を悪だと決めつけるのだと思います。
学力検査は,あくまでも,人間の一つの側面をはかる目安にしかならないことを申し上げたいと思います。,